
晩秋の紅葉湯
清麿とガッシュとティオと恵は温泉旅館に来ていた。
恵がのんびりとした旅行に行きたいと言う一言から始まった事で、ティオが清麿とガッシュも誘ったわけである。
「ごめんね、無理につき合わせちゃって・・・。」
その言葉を聞いた清麿は恵に言った。
「気にしないでください、こっちも誘ってもらえてよかったです。」
旅館の中に入ると、旅館の人が案内してくれた。
「高嶺様御一行ですね。」
「お部屋へ案内します。」
そう言うと、4人は旅館の人についていった。
部屋に着くと、旅館の人が言った。
「それではごゆっくり。」
ふすまが閉まると、清麿は恵に聞いた。
「恵さん、どうして俺たち全員の名前が呼ばれなかったんでしょう?」
恵が清麿に答えた。
「私の事が旅館中に知れるとまずいでしょ。」
「だから、旅館に予約を入れたときに全員の名字を高嶺にしておいたの。」
清麿はつぶやいた。
「と言う事は、俺は高嶺清麿のまま。」
「ガッシュが高嶺ガッシュ・ベルになって・・・。」
「ティオが高嶺ティオになって・・・。」
「恵さんが・・・。」
清麿は言葉に詰まった。
恵が清麿に聞いた。
「清麿君、どうしたの?」
清麿は恵に答えた。
「何でもないです・・・。」
「ただ、旅館の人に親子だと思われたらどうしようと思いまして・・・。」
恵は清麿に言った。
「私はそれでも構わないけどね。」
「私と清麿君が夫婦で、ティオとガッシュ君が私たちの子供・・・。」
「今日だけそういうことにしたらダメ?」
清麿は恵に答えた。
「悪くはないですね・・・。」
とりあえず、非常時のときはそうやってごまかそうと清麿は思った。
「清麿、早く温泉に行くのだ。」
ガッシュが清麿を温泉へと誘う。
「わかったよガッシュ、ちゃんと4人で行こうぜ。」
清麿がそう答えると、4人は着替え及びタオルなどを用意して温泉へと向かう。
一度4人は1組ずつに別れ、それぞれの浴場へ向かう。
清麿とガッシュが露天風呂に出ると、そこには誰もいなかった。
「誰もいないのう、清麿。」
それを聞いた清麿がガッシュに答えた。
「まあ、そろそろ昼時だからな・・・。」
女湯の露天風呂のほうから恵の声が聞こえた。
「清麿君、そっちはどう?」
清麿が答えた。
「他に誰もいませんからのんびり出来ますし、とても良い気持ちです。」
それを聞いた恵が清麿に聞いた。
「ねぇ、清麿君。」
「そっちに行っても良い?」
清麿の顔が一瞬のうち真っ赤になった。
清麿は恵に言った。
「やめてください!!」
「いくら誰もいないからとはいえ・・・。」
今度はティオがガッシュに聞いた。
「ねぇ、ガッシュ。」
「そっちに行っても良い?」
恵とほぼ同じような質問だったが・・・。
「私は別に構わぬぞ。」
清麿とは正反対の返事を返した。
その言葉で顔を赤くしたのはティオだった。
そんなティオを見て恵が言った。
「ガッシュ君のところに言ってあげたら?」
ティオは恵に言った。
「どうせ、ガッシュには照れがないのよ・・・。」
「でも、少し嬉しかったかな・・・///」
4人が入浴を終えると、ガッシュがティオに言った。
「ティオ、この旅館の中を探検するのだ。」
ティオが答えた。
「良いわよガッシュ、行きましょ。」
そう言うと、ガッシュとティオは走り去っていった。
2人きりになり、清麿は恵に聞いた。
「恵さん、外は紅葉が綺麗なので少し見に行きませんか?」
恵は清麿に答えた。
「もちろん良いわよv」
2人は少しガッシュたちのことが気がかりだったが外に出た。
外は見渡す限りの紅葉だった。
赤くなったもみじや、黄色くなったイチョウの葉。
春の桜は綺麗だが、秋のこういう葉も人の心をひきつける。
「綺麗だね・・・。」
恵がそう言うと、清麿が言った。
「はい・・・。」
一般的な返答だがこれが一番自然なのだろう・・・。
清麿見て恵が聞いた。
「ねぇ、清麿君。」
「どうしてそんなに周りを警戒しているの?」
清麿は恵に答えた。
「以前、ガッシュと一緒に温泉旅行に来て、敵に襲われたことがあったんです。」
「もし、今回も襲われたらと思うと・・・。」
恵は清麿に言った。
「大丈夫、その時は私が守ってあげるから。」
恵の言葉に対して清麿が言った。
「俺も・・・、恵さんを守って見せます。」
清麿は、恵と向かい合い唇を重ねる。
その頃のガッシュとティオは・・・。
「ガッシュ、そろそろ部屋に戻らない?」
ガッシュが答えた。
「ウヌ、清麿達が心配するといけないのだ。」
ティオがガッシュに聞いた。
「ねぇ、ガッシュ。」
「私たちの部屋ってどこだっけ?」
ガッシュは悩み始める。
「覚えていないのだ・・・。」
言葉のあまりティオは怒った。
「そういうのは男がしっかりするものでしょ!!」
ティオがガッシュの首を絞める。
ガッシュがティオに言った。
「大丈夫なのだ・・・。」
「そんな時は誰かに聞くのが良いのだ・・・。」
ティオはガッシュの首から手を離し旅館の人を呼び止めた。
「あの〜すいません。」
旅館の人がティオに聞いた。
「どうかしましたか?」
ガッシュが旅館の人に言った。
「私たちは部屋に戻りたいのだが部屋を忘れてしまったのだ。」
旅館の人がガッシュに聞いた。
「君のお名前は?」
ガッシュが言った。
「私はガッシュ、こっちはティオなのだ。」
旅館の人はガッシュとティオをつれて行った。
ガッシュがティオに言った。
「ティオ、私の言うとおりにすればうまく行くであろう!!」
ティオがガッシュに言った。
「何言ってんのよ、ガッシュが部屋を忘れてなかったらこんな事にはならなかったでしょ!!」
清麿と恵は旅館の中へ戻ってきた。
すると、迷子になったガッシュたちが旅館の人に連れられているのを見つけた。
「清麿〜!!」
ガッシュの反応を見て清麿が聞いた。
「もしかして、迷子になったのか?」
旅館の人が清麿に聞いた。
「この子達はお宅の子供さんですか?」
清麿は答えようとした。
「あの〜実は・・・・。」
その瞬間、恵が清麿に耳打ちをした。
「清麿君・・・。」
清麿は何かを思い出したように言った。
「そうなんですよ、少し目を離すとすぐに迷子になって・・・。」
旅館の人はガッシュとティオを清麿と恵に引き渡した。
「今度は気をつけてくださいよ。」
そう言うと、旅館の人は去っていった。
「何で迷ってんだよお前は!!」
清麿がそう言うとガッシュが言った。
「ここは広すぎて分からぬのだ!!」
清麿がガッシュに言った。
「部屋にはちゃんと『桔梗の間』と書いてあっただろうが!!」
ガッシュが言い返した。
「私は漢字が読めぬのだぞ!!」
ティオが清麿に言った。
「まあまあ清麿落ち着いて・・・。」
清麿はようやく落ち着き、4人は部屋に戻った。
もう既に5時くらいだったので夕日が出ていた。
清麿と恵は静かに窓から夕日を眺める。
外の紅葉も綺麗だったが、夕日もまた綺麗だった。
ガッシュとティオは部屋ではしゃいでいる。
日が沈むまでの30分間位の間はそのままだった。
日が完全に沈むと、清麿は窓の障子を閉めた。
恵はバッグからトランプを取り出して言った。
「せっかくだからトランプでもしましょうよ。」
そう言うと、4人はシンプルだがばば抜きを始める。
「やった〜♪また私が一番よ♪」
恵がそう言うとティオが言った。
「強すぎだよ恵・・・。」
すると今度は清麿が言った。
「これで4回目の2位か・・・。」
現在6回くらいやっていて、恵は全て1位。
清麿は4回2位で2回が3位だ。
6回目ばば抜きで、現在残されいているのはティオとガッシュだ。
ガッシュはここまで全て最下位なのでどうしても勝ちたいところだ。
ティオがガッシュからカードを抜くと、ティオが言った。
「やった〜♪あがりよ♪」
気がつくと、もう7時になっていた。
旅館の人が夕食を運んできてくれた。
4人は合掌した後、食べ始める。
15分くらいで食べ終えると、4人はまた温泉に入る事にした。
一日の疲れはそれほどではないが、温泉に入る事でそれまでの疲れが全て取れた気がした。
部屋に戻ると既に布団がしいてある。
ただ、布団が2組分しかなく、メモが置いてあった。
『お客様へ』
『本日大変込み合っており、布団が人数分用意出来なかったため2人1組という形で眠ってください。』
当然この場合は赤本組と朱本組に分かれて眠るのが普通だろう。
しかし、恵は清麿に言った。
「清麿君、一緒に寝ようか♪」
清麿は顔を赤くして素直にうなずく。
布団をめくり、清麿は恵を先に布団の中に入れる。
その後に、清麿は布団の中に入る。
ガッシュはティオに聞いた。
「清麿と恵殿が一緒に寝るということは、私たちが一緒に寝るのか?」
ティオがガッシュに聞いた。
「何よ、私じゃ嫌なわけ?」
ガッシュはティオに言った。
「ティオと寝るのが嫌なわけないであろう。」
ティオは思わず顔を赤くする。
清麿がガッシュに言った。
「寝る前に電気を消せよ。」
ガッシュが清麿に言った。
「清麿が消せばよかろう・・・。」
清麿がガッシュに言った。
「どうにもこうにも、恵さんが離してくれそうにないんだ。」
清麿は横たわった状態で恵に抱きしめられている。
顔が向かい合っていてとても顔を近くに感じる。
「ウヌ、仕方がないのだ。」
そう言うと、ガッシュは部屋の明かりを消す。
そして、ガッシュはティオと同じ布団に入る。
ティオが清麿に言った。
「清麿、恵にちょっかいだしちゃダメよ!!」
清麿がティオに言い返した。
「ティオだって、ガッシュに変な事するなよ・・・。」
ティオが顔を赤くして言った。
「わっ、私がそんなことするわけないでしょ!!」
ティオはさらに言い返そうと清麿のほうを見た。
しかし、何を言おうとしたのかも忘れてしまった。
清麿はもう眠ってしまった。
恵に抱きしめられながら・・・。
ティオには清麿の顔は見えないが、恵の顔がうっすらと見えた。
恵はとても幸せそうな顔をしていた。
「ねぇ、ガッシュ・・・。」
そう言いながらティオはガッシュの方を見る。
しかし、ガッシュはもう既に眠っていた。
「まったく、雰囲気がわからないんだから・・・。」
そう言うと、ティオはガッシュの横で眠った・・・。
晩秋の紅葉湯
End
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あとがき
清恵メインで行く予定でしたが結構ガッティオもできました。
今回は清恵とガッティオが親子という設定にするのも面白いかなぁと思ったので、微妙にそのような要素で書いてみました。
清恵70%でガッティオが30%位の配分で書いてみました。
プロフィールを見ていただければわかると思いますが、私は清恵好きですが、ガッティオも好きです。
まあ、一緒に眠らせるのは私の癖であり、得意技です。