輪
清麿はある日、恵からピクニックの誘いを受けた。
会話の途中に恵が言った。
「楽しくしたいから、清麿君も誰か他にも誘ってきて。」
「私は、連絡がつくかどうかわからないけどリィエンとウォンレイを誘ってみるから。」
そう言って、細かい日時などの打ち合わせをした後電話を切った。
清麿は、誰を誘って良いか迷った。
(水野達にするか?いや、あいつらは恵さんと会っただけで問題起こしそうだし。)
(フォルゴレとキャンチョメは?あいつらどこにいるかわからないからな・・・。)
(忙しいかもしれないけど、サンビームさんとウマゴンにするか。)
そう決めた清麿は、サンビームの家に電話した。
既に夜だったので、サンビームがいると思ったからだ。
すると、案の定サンビームが電話に出た。
「もしもし?」
清麿がサンビームに言った。
「サンビームさん、俺です、清麿です。」
「実は、今度の日曜日に、恵さんがピクニックに行こうと言って、楽しくしたいから他にも誰か誘おうという事になったんです。」
「それで、誰を誘ったら良いか悩んだんですけど、こういうことはサンビームさんにしか頼めなくて。」
サンビームからすぐに返事が帰ってきた。
「わかった、その日は仕事は休みだから一緒に行けるぞ。」
「細かい日時を教えてくれ、もちろんウマゴンも連れて行くぞ。」
それを聞いた清麿は、恵と打ち合わせた時間、集合場所を伝える。
そして、あっという間に日曜日が来た。
集合場所は、モチノキ町の駅のすぐそばにあるバス停。
清麿、ガッシュ、サンビーム、ウマゴンがバス停を見ると、既に恵、ティオ、リィエン、ウォンレイの4人がいた。
集合時間は午前11時の予定なのだが、まだ10時30分という30分も前だった。
ティオが清麿に言った。
「遅いわよ、レディーを待たせるなんて。」
すると、反論するようにガッシュが言った。
「ティオ達が早すぎるのだ。」
「待ち合わせまでまだ30分もあるのだぞ。」
その言葉がティオの怒りを買ったらしく、ガッシュの首はあっという間にティオに絞められる。
バス停前のトラブルはその位だった。
午前11時、バス停に目的地に向かうためのバスが来た。
バスに乗り込む7人と1匹(ウマゴン)。
すると、遥か後方から聞きなれた声が聞こえた。
「お〜い、待ってくれ〜!!」
走ってきたのは、キャンチョメ、フォルゴレ、そしてナゾナゾ博士だった。
あわててバスに乗り込む3人に、ティオがバスガイドのような声で言った。
「駆け込み乗車はおやめください。」
清麿はフォルゴレに聞いた。
「何でお前達がここにいるんだよ?しかもナゾナゾ博士も一緒に。」
すると、フォルゴレが言った。
「ナゾナゾ博士から清麿たちがピクニックに行くと聞いたんで、一緒に行こうと思ってね。」
清麿は恵の方を見る。
すると、恵は首を横に振って言った。
「私、ナゾナゾ博士には言ってないよ。」
ナゾナゾ博士が言った。
「はっはっは、私の名前はナゾナゾ博士。」
「何でも知ってる・・ぐはっ・・・!!」
清麿と恵によるナゾナゾ博士への同時攻撃が炸裂する。
それでもナゾナゾ博士は立ち上がって言った。
「私はなんでも知っている。」
「君たちがピクニックに行く事も。」
清麿と恵が小声で話し合う。
「電話、盗聴でもされているんじゃないんですか?」
「わかんないけど、可能性はあるわね。」
バスは出発する。
清麿はナゾナゾ博士に聞いた。
「ナゾナゾ博士、どうしてフォルゴレだけなんですか?」
ナゾナゾ博士が言った。
「アルベール君やウルル君、アルヴィンも誘ったのじゃが、アルベール君とウルル君は忙しいらしい。」
「アルヴィンは眠いから嫌だと言っていた。」
「あとは、ブラゴとシェリーも誘ってみた。」
あっと驚く一同。
そしてナゾナゾ博士が言った。
「でも、あっさり断られた。」
その話題はそれ以上話されなかった。
各自、それぞれの会話を楽しんだ。
ただし、その中に無理矢理ナゾナゾ博士が入り込んで邪魔したりもしたが。
ピクニックの目的地の山に到着。
詳細にはこの後、その山道を抜けた先にある草原に行くのが目的だ。
今は、ちょうど12時。
全員、そこで昼食を取る事になった。
するとその時、ナゾナゾ博士が清麿とガッシュに言った。
「清麿君、ガッシュ君、確かこのピクニックは昼食持参だったはずだ。」
「それなのに、なぜ恵君とティオ君の弁当を一緒に食べている!!」
ガッシュが言った。
「清麿は料理が出来ぬ、それに今日は母上殿もいないのだ。」
清麿が言った。
「まあ、その事を打ち合わせのときに恵さんに言ったら、俺たちの分も作ってきてくれる事になったわけだ。」
すると、リィエンが清麿に言った。
「つまり、愛妻弁当あるな。」
思わず清麿と恵は顔を赤くする。
完全に不意を突かれた言葉だった。
リィエンはウォンレイと昼食をとっている。
ウォンレイがリィエンに言った。
「リィエン、あまり2人をからかわないほうが良い。」
残りのメンバーは、それぞれ魔物とパートナーで昼食となっている。
つまり、ナゾナゾ博士は1人の寂しい昼食だった。
まあ、これはバスの中での仕返しらしい。
とりあえず、全員山道を歩く。
ガッシュ、ティオ、キャンチョメ、ウマゴンは歌を歌いながら歩く。
山道の途中で、突然恵が座り込む。
清麿は心配そうに恵に駆け寄った。
清麿は恵に聞いた。
「大丈夫ですか?」
恵は清麿に言った。
「足を挫いただけ、私の事は気にしないで。」
すると、清麿はガッシュに自分の荷物を投げて言った。
「ガッシュ、俺の荷物も一緒に持ってくれ、俺は恵さんを背負って行く。」
そう言うと、清麿は恵を背負って言った。
「恵さん一人を置いてはいけませんよ。」
それを見ていたリィエンがウォンレイに言った。
「ウォンレイ、私を背負って行って欲しいある。」
ウォンレイはリィエンを背負って言った。
「清麿達に影響されたね・・・。」
そんな感じでウォンレイはリィエンを、清麿は恵を背負って再び歩き始めた。
そして、歩く事30分。
ようやく草原にたどり着いた。
草原とは言っても、周りには木々も多い。
すると、フォルゴレが空き缶を取り出して言った。
「なあ、どうせなら、みんなで缶蹴りをしよう。」
全員の意見が合致して、2人一組で鬼をやる事になった。
最初の鬼は、ティオと恵だった。
缶を草原の真ん中において、いざ缶蹴りが始まる。
すると、素早くキャンチョメが出てきた。
しかし、簡単に見つかってしまう。
髪の毛が目立ったため、フォルゴレもすぐその後に見つかった。
その時、ティオは清麿の声らしき声を聞いた。
ティオと恵が少し缶から離れる。
その一瞬を見逃さず、木の上からなんと、ラウザルク状態になったガッシュが出てきた。
ティオと恵がこのガッシュのスピードに勝てるはずもなく、ガッシュは缶を蹴った。
ただし、缶がどこかへ飛んでいってしまったが・・・。
清麿を見つけたティオが清麿に言った。
「ずるいよ清麿、ラウザルクを使うなんて。」
すると清麿は反論するように言った。
「別に呪文を使っちゃいけないルールなんて無いだろ。」
ティオは怒りの表情を隠せなかったが、恵がティオに耳打ちをした。
すると、ティオの顔がにやけだした。
何はともあれ清麿が新しい缶を置き、再び缶蹴りが始まる。
たくさんある木下で、清麿はガッシュに言った。
「ガッシュ、もう一度さっきと同じやり方で行くぞ。」
そして清麿はラウザルクを唱える。
もちろんその声につられて恵とティオが寄って来る。
しかし、清麿は少し不審に思った。
(おかしい、これじゃあうまく行き過ぎてる。)
ガッシュが再び缶へ向けて走り出す。
すると、清麿は恵の手に本があることに気づいた。
とっさに清麿はガッシュに注意する。
「気をつけろガッシュ!!」
ティオが手を缶に向けて前に出す。
すると恵が呪文を唱えた。
「セウシル!!」
セウシルにより、ガッシュは弾き飛ばされた。
清麿はガッシュに呼びかけたため、ティオに姿が見つかってしまった。
恵が清麿に言った。
「呪文を使っちゃいけないルールは無いって言ったよね。」
「その言葉、そのまま返すね。」
そのまま全員見つかってしまい、今度は清麿たちが鬼になった。
清麿とガッシュが物音を聞き、そこへ向かっているとナゾナゾ博士が清麿たちの後ろから缶へ向けて走り出した。
すると、清麿はガッシュに言った。
「ガッシュ、缶のほうを向け!!」
ガッシュはとっさに缶の方を見る。
そして清麿は呪文を唱える。
「ザケルガ!!」
ザケルガで缶を飛ばし、清麿はナゾナゾ博士をはめる事に成功した。
しかし、すぐに近くの茂みからサンビームの呪文の声が聞こえた。
「ゴウ・シュドルク!!」
すると、ウマゴンが出てきて缶を飛ばした。
こうして、エキサイトした缶蹴りは2時間に及んだ。
全員の疲労が大きいため、輪になって草原に寝そべった。
ガッシュは大体で時計の12時の位置に例えられる。
時計回りにガッシュ、清麿、恵、ウォンレイ、リィエン、フォルゴレ、キャンチョメ、ナゾナゾ博士、ウマゴン、サンビーム、ティオという感じだった。
そのまま長い時間が過ぎていく。
寝そべったまま、全員がいろんなことを話す。
そして、ナゾナゾ博士を除き、必ず自分のパートナーを王にすると誓うのであった。
こうして、楽しいピクニックは終了した。
輪
End
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あとがき
今回のリクエストは、40000カウント記念にオールキャラでの楽しいピクニックというお題でトリーさんからです。
オールキャラという事で、デボロ遺跡に攻め込んだ11人としました。
とりあえず、時間的には千年前の魔物との戦いの後という設定です。
微妙に博士虐めになってしまいましたがご了承ください。