
花火の下で
ある日の事・・・。
「はい、高嶺です。」
清麿はかかってきた電話にでる。
「もしもし?清麿?」
電話の主はティオだった。
ティオが電話越しに言った。
「ねぇ清麿、今度の土曜日にこっちの町でお祭りがあるんだけど来ない?」
「あっ、もちろん恵も一緒だよ。」
清麿は「恵」という単語に反応する。
清麿が言った。
「まあその時は空いてるし、何もなくて退屈だったから行くよ。」
「もちろんガッシュも一緒でな。」
その後、当日の打ち合わせをして電話を切る。
ガッシュが清麿の近くに来て聞いた。
「清麿、今の電話は誰だったのだ?」
清麿はガッシュに答えた。
「ティオからだよ、夏祭りの誘いだ。」
ガッシュが言った。
「楽しみだのう。」
そして、あっという間に約束の日となった。
待ち合わせ予定は午後の4時半に恵とティオの生活する町の駅。
祭は4時から始まるが、夜遅くには花火があり、早く行き過ぎると花火の時間の前にガッシュが飽きてしまう。
そう言う所を細かく考えてティオと清麿は待ち合わせをした。
もちろん、清麿もガッシュも祭には浴衣姿になる。
しかし、浴衣姿で電車に乗るのは問題があると判断し、恵のマンションで着替える事になった。
清麿とガッシュは電車に乗り込む。
電車の中でガッシュは清麿に聞いた。
「清麿、お祭には何があるのだ?」
清麿は少しあきれて言った。
「おまえなぁ、それも知らずについて来たのか。」
「祭といえば、射的・綿菓子・金魚すくい・・・・・と言ったいろんなものがある。」
電車が駅に到着すると、そのホームにはティオと恵が待っていた。
ガッシュは走ってティオたちに駆け寄る。
そんなガッシュを見て清麿は注意する。
「こらガッシュ!!駅を走るな!!」
恵はその場を沈めるように言った。
「まあまあ清麿君、そんなに硬くならないで。」
恵の言葉により清麿は静かになる。
ガッシュは恵に言った。
「恵殿は清麿を静かにさせるのがうまいのう。」
ティオがガッシュに言った。
「あんたが迷惑かけるから清麿が怒るんでしょう。」
駅での揉め事はその後も少し続いた。
その後、ガッシュと清麿は恵の暮らすマンションで着替える事になった。
ティオと恵も違う部屋で着替えている。
駅に迎えに来たときは普段着だったからだ。
着替え終わると、大体5時くらいだった。
清麿たち御一行の4人は、祭のある神社へと向かう。
10分くらい歩いた道の途中で、ガッシュが恵に聞いた。
「恵殿、まだ着かぬのか?」
恵はガッシュに答える。
「まだまだ、あと10分くらいは歩かないと。」
ティオがガッシュに言った。
「あら、もう疲れたの?ガッシュ。」
ガッシュはティオに言った。
「私はぜんぜん疲れてないのだ。」
喧嘩をしているように見えるが、実際そういうわけでもない。
そんな2人を清麿と恵は優しく見つめる。
祭りの行われる神社に4人は到着した。
ガッシュとティオは派手にはしゃいでいる。
清麿は恵に手を差し出して言う。
「手・・・繋ぎましょうか?」
恵は顔を赤らめて言った。
「うん・・・。」
2人は手を繋いで歩く。
ガッシュがとある出店の前で清麿に聞いた。
「清麿、これは何なのだ?」
金魚のたくさんいる水槽を見て清麿が言った。
「これは金魚すくいだ。」
ガッシュは清麿に言った。
「清麿、これがやりたいのだ。」
清麿は、財布の中から100円を取り出して店のおじさんに渡す。
ガッシュは異常なほどに張り切っていた。
しかし、そんな張り切りなど関係なく、ガッシュの紙はすぐに破けた。
ガッシュは悔しそうに清麿に言った。
「清麿、もう1回なのだ。」
清麿はガッシュに言った。
「ダメだ、他にもいろいろと回るんだぞ。」
すると、恵が清麿に言った。
「ねぇ、清麿君がやって見せて。」
清麿が聞く。
「俺が・・・、ですか?」
恵は黙ってうなずく。
とりあえず、清麿はその場の雰囲気に流されるように清麿は金魚すくいをはじめる。
ガッシュの場合と違い、清麿は5匹くらいの金魚をすくった。
恵は清麿に笑顔で言った。
「すごいね、清麿君。」
思わず清麿は顔が赤くなる。
すると、女の子の泣き声が聞こえた。
「うわ〜〜〜〜ん。」
清麿たちは辺りを見回して泣き声を出している子を見つけた。
どうやら金魚すくいでぜんぜん救えなかったらしい。
その子の母親らしき人物が女の子に言った。
「いつまでも泣いてないの。」
清麿は、自分の金魚を女の子に手渡して言った。
「ほら、お兄ちゃんの金魚をあげるから泣かないで。」
すると女の子は泣き止み、清麿にお礼を言った。
「お兄ちゃんありがとう、これは私からのお礼。」
すると、女の子は清麿に口付けようとした。
清麿は、首を30度ほど横に向けその口付けを頬にあてた。
多分、女の子は口にするつもりだったのだろう。
清麿は恵の肩に手を置いて女の子に言った。
「ごめんね、お兄ちゃんの唇はこのお姉ちゃん専用だから。」
すると、女の子は清麿に言った。
「じゃあ、お手本見せて。」
その言葉のあまり、恵と清麿は同時に顔を赤くする。
女の子の母親が女の子に言った。
「こら、何てこと言うの。」
とりあえず、清麿は恵に口付ける。
恵も素直にそれを受け止める。
5秒間くらいすると、清麿の唇が離れた。
女の子が言った。
「ふふふ、お幸せに。」
そう言うと女の子は母親に連れて行かれた。
恵が清麿に言った。
「清麿君、何もあんな小さな女の子の前でキスする事もないんじゃない?」
清麿は恵に聞いた。
「もしかして、やきもち妬いてましたか?」
恵は清麿によって言った。
「そんな事ないよ、清麿君の唇は私だけのものだから。」
4人は再び出店を回り始める。
ただ、少し変わったところがあるとすれば、清麿と恵が手を繋いでいたところから腕を組んで歩いているところだ。
あれから1時間くらい経っただろうか、花火が上がりだした。
ティオが清麿達に言った。
「もっとよく見えるところがあるから行こう。」
そう言って、花火がよく見えるという近くの河原にやってきた。
ガッシュは草の上で仰向けになる。
ティオもその隣で一緒に仰向けになる。
清麿はガッシュとティオに言った。
「俺と恵さんは、もう少し向こうのほうで見てるからその辺りから動くなよ。」
そう言って、清麿と恵は少し離れたところへ行く。
清麿と恵は草の上に座る。
清麿は、恵の肩をそっと抱き寄せて言った。
「綺麗ですね・・・。」
恵もうなずいて答える。
「うん・・・。」
晴れた星空にいくつもの花火があがる。
そして、清麿は恵の方を見る。
恵も清麿の方を見る。
2人は暗い星空に上がる花火の下で、そっと唇を重ねた。
花火の下で
End
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あとがき
祝30000カウントです。
このリクエストはClさんより「清恵の夏祭り(甘甘)」というお題でした。
今までの小説より清恵が少なかったような気がしますが、意外と小さなところにも清恵はあります。
もっと清恵のシーンが増やせたらよかったです。