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証明

 

今日は、恵さんと一緒にモチノキ町のデパートでデートをしてる。

どうして今こうしているのか、きっかけは1週間くらい前に起こった・・・。

 

俺のもとにかかってきた1本の電話。

「清麿〜、電話よ〜。」

母さんに呼ばれて、電話のほうへと歩んで行く俺。

俺に電話をしてくる奴なんて、いるはずないと俺は思った。

何と言っても、友人の水野でさえもかけてきたりはしないのだから。

とりあえず、電話の主を母さんに聞いてみた。

「電話は誰からだ?」

すると母さんは、にやけた表情で俺に言った。

「清麿が1番電話をかけてきて欲しい相手。」

俺は最初、母さんの事だから水野だろうと思った。

受話器を取り、一応声の主を探る。

「もしもし?」

すると電話の向こうから、水野の声ほどではないが聞きなれた声が聞こえてくる。

「清麿君、私だけど・・・。」

なんと、電話の主は恵さんだった。

「めっ、恵さん・・・。」

電話越しだけど、綺麗な恵さんの声はよくわかる。

思わず照れてしまう俺だった。

しかし、母さんが恵さんの事をそういう風に見ていたとは驚きだった。

恵さんが電話の向こうから話しかけてくる。

「清麿君、今度の日曜日に私の仕事が休みなんだけど、良かったら一緒にどこかに行かない?」

その時は、俺も暇だし恵さんと会えるのは嬉しかったから恵さんへの答えは1つ。

「いいですよ、どこに行きたいですか?」

数秒間の沈黙の末に、恵さんからの返事が返って来る。

「じゃあ、ショッピングにでも行きたいな。」

「清麿君のいるモチノキ町のデパートで。」

俺は恵さんに聞いた。

「わかりました、じゃあ時間はどのくらいなら大丈夫ですか?」

今度はすぐに返事が返ってきた。

「1日中あいてるけど、10時くらいに駅に迎えに来て。」

俺は恵さんに言った。

「じゃあ、今度の日曜日の10時にモチノキ町の駅に迎えに行きます。」

恵さんが言った

「楽しみにしてるからね。」

そして、電話は切れてしまった。

 

そういうわけで、俺と恵さんは今こうしてデートをしているわけだ。

今は、洋服売り場をうろついている。

恵さんの新しい服選びに付き合っているのだ。

恵さんは、じっくりといろいろな服を見つめて手にとって確かめている。

恵さんが、可愛い雰囲気の白いワンピースを俺に見せて聞いた。

「清麿君、これなんかどう思う?」

とりあえず、女の子のような観点になってみて答えた。

「恵さんは容姿もスタイルも良いので似合うと思いますよ。」

しかし、恵さんは何かを考えているように見えた。

すると、恵さんが俺の胸元にワンピースを押し当てて言った。

「清麿君、このワンピース試着してみて。」

俺はその言葉に驚いた。

男が女の子の服を試着すると、いかにも変態のように見られてしまうだろう。

俺は最初は断るつもりだった。

「男の俺がそのワンピースを着たら、変態のように扱われてしまうので勘弁してください。」

しかし、恵さんはその程度の事では挫折しない。

「いいから、いいから。」

そういって恵さんは、俺を無理矢理試着室の中に入れた。

試着室の外から、恵さんが小声で喋っているのが聞こえる。

「清麿君、もし試着してくれなかったら無理矢理にでも着せるから。」

さすがに勝ち目はないと悟った俺は、おとなしくワンピースを着て見せた。

とりあえず、恵さんに簡単に注意をする。

「恵さん、他人に見られるのは嫌なので、試着室のカーテンを開けて覗く程度にしてください。」

恵さんは、その辺りは俺を気づかってくれた。

カーテンをそっと開けて、俺の方を見て恵さんが言った。

「結構似合うね、清麿君。」

俺は赤くなった顔で言った。

「できれば、もうこんな格好はさせないでくださいよ。」

恵さんは、結局そのワンピースを気に入って買ったようだ。

ここで俺に思いもよらぬハプニングが起こった。

なんと、山中と岩島に偶然にも遭遇したのだ。

山中が俺に聞いてきた。

「高嶺、誰だよその可愛い子は?」

岩島も俺に聞いてきた。

「どうしてこんな可愛い子が清麿と一緒にいるのかな?」

幸い、恵さんの変装は2人にはばれていない。

すると、恵さんが2人に言った。

「私は、清麿君の彼女よ!!」

山中が俺に聞いた。

「本当なのか高嶺?」

俺は山中に言った。

「そうだ、この人は俺の彼女だ!!」

すると、岩島が俺に言った。

「じゃあ、証明して見せてよ。」

俺はその言葉のあまり修羅場になった。

恋人同士の関係をどう証明すれば良い?

迷っていると、突然恵さんの顔が近くに感じた。

そして、俺の唇に暖かい物が触れたような気がした。

しばらくすると、その感覚は失せ、恵さんが2人に言った。

「これで満足?」

「これ以上、私と清麿君のデートの邪魔はしないで!!」

それを聞いた2人はどこかへ言ってしまった。

俺は、状況をよく飲み込めなかった。

そのため、恵さんに聞いてみた。

「恵さん、何があったかよくわからないんです、良かったら教えてもらえますか?」

すると、恵さんが言った。

「さっき、いきなりだけど清麿君にキスしちゃった・・・。」

「それを見ていたあの2人は驚いてたけど・・・。」

俺は、さっきの暖かい感覚が何だったのかを理解した。

俺の変わりに恵さんに証明してもらったわけだが、どうも俺には物足りなかった。

俺は恵さんに言った。

「なんだか、物足りないような気がします。」

すると、恵さんが俺に聞いた。

「じゃあ、またキスする?」

あまりにも、ためらいのない恵さんの言葉のあまり俺は恵さんに聞いた。

「恵さんは、何故そうためらいもせずに言えるんですか?」

恵さんが答えた。

「だって、清麿君は私の一番大好きな人だもん。」

「清麿君の前でなら、私はどんな事でも我慢せずに言う事が出来るの。」

そして、俺と恵さんはその場でそっと唇を重ねあった。

その場が、デパートである事さえ忘れて、お互いの鼓動だけを感じあっている。

しばらくして、俺は唇を離した。

恵さんは、まだ目を閉じていて、目をあけたかと思うと、少し名残惜しそうだった。

俺は、恵さんを近くのベンチに座らせて、そのすぐそばの自動販売機でジュースを2本買って、その1本を恵さんに手渡した。

ジュースを手に握り締めたまま、恵さんが言った。

「清麿君、この後は本屋さんに行こう。」

俺は恵さんに聞いた。

「別に良いですけど、何か欲しい本でもあるんですか?」

恵さんは首を横に振って言った。

「ううん、清麿君には無理を言って来てもらったから、清麿君の行きたそうな所に行きたいの。」

俺は恵さんに言った。

「わかりました、恵さん。」

「今日は余裕があれば、すこし本屋にもよろうと思っていたので、行きましょうか。」

俺と恵さんは、デパートの書店のコーナーへと向かった。

書店の本棚には、いろんな本がビッシリ詰まっている。

それこそ、小説からマンガ本やさまざまな雑誌と、いろいろな本がある。

俺は、書棚から適当に1冊を取り出して、軽く内容を見てみる。

2,3冊程度確かめると、恵さんが隣で雑誌を読んでいることに気がついた。

俺は恵さんに聞いた。

「それ、何の雑誌ですか?」

恵さんは、あわてて本を閉じて言った。

「何でもないよ、ただの芸能情報誌みたいなもの。」

俺は、隙を突いて横のほうから雑誌のタイトルを見てみる。

そこには、「よく当たる占い」と書いてあった。

恵さんが言った。

「清麿君との相性とか、そういうのを確かめてみたかったの。」

恵さんは、俺にも雑誌の1ページを見せた。

いろいろな占いを試してみた結果、俺と恵さんの相性は結構良いものだとわかった。

恵さんは、一息ついて言った。

「よかった、清麿君と良い相性で・・・。」

俺は恵さんに言った。

「占いとか、そういうのは関係ありません。」

「俺と恵さんは、きっと良いところまで行けると思いますよ。」

恵さんの顔が赤くなる。

すると、恵さんがいきなり俺に口付けてきた。

そして、恵さんは自分の唇を俺の唇から離して言った。

「ありがとう、清麿君。」

「私達、きっと良い関係になれるよね。」

俺は恵さんに答えた。

「はい、きっと・・・。」

そして、その場が書店だという事を忘れて、俺と恵さんの深い口付けが始まる。

アイドルと一般人という様に、俺たちの世間的な距離はものすごく遠い。

だけど俺は、少しずつで良いからその距離を縮めていこうと思う。

その先に、きっと大きな幸せが待っているから・・・。

 

証明

End

あとがき

この小説は、22222hit記念にクマさんより、恵清でキスシーンありの買い物デートと言う内容でのリクエストでした。

キリ番小説で、初めての恵清でのリクエストでした。

結構自分では清恵よりも恵清の方が得意だと思っていますが、あらためて書いてみるとなかなかうまくいきませんでした。

もっと、清恵も恵清もうまくなれるように努力したいです。

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