引き合うもの

 

今日は清麿君とデートです。

ティオとガッシュ君抜きの2人きりのデートで、11時に駅で待ち合わせる予定です。

そのはずなのですが、清麿君が待ち合わせ時間から10分も経つのにまだ来てくれません。

清麿君は約束を破る人でも時間に遅れるような人でもない。

もしかして、清麿君の身に何か・・・。

そう思ったときに、清麿君がへとへとになって走ってきました。

息を切らした清麿君が私に言いました。

「恵さん・・・遅れてすいません・・・、ガッシュが・・・連れて行け連れて行けうるさくて、・・・置いて来るのに・・・苦労しました。」

清麿君が何をしたのか気になったので聞いてみました。

「どうやって置いて来たの?」

清麿君の呼吸が少し、戻ってきて落ち着いた様子で言いました。

「バルカンを天井に貼り付けてきました。」

「ガッシュとバルカンは運命共同体のようなものですから。」

とりあえず私は、遅刻した事を怒りました。

「もう、男の子が女の子を待たすなんてひどいよ。」

清麿君は、もう1度私に謝って、何をしたら良いか聞いてきました。

「ごめんなさい恵さん、何をすれば許してくれますか?」

私は、彼の唇に自分の唇を重ねました。

10秒間ぐらい経つと、私は唇を離して言いました。

「これで許してあげる。」

清麿君が私に聞きました。

「恵さん、どこに行きたいですか?」

いつも清麿君は自分のやりたい事よりも、私がやりたい事を優先して行動してくれる。

そこが彼の優しさ、怒るとちょっぴり怖いけど、こんな優しい清麿君が私は大好き。

私は清麿君に言いました。

「じゃあ、そこの喫茶店にでも行こう。」

すると、いきなり柄の悪そうな人が現れて言いました。

「そこのかわいい姉ちゃんよぉ、そんな奴やめて俺にしなよ。」

そう言ってその柄の悪そうな人が、私の腕を掴もうとしました。

しかし、その前に清麿君がその人の腕を掴んで言いました。

「俺の彼女に手を出すな!!」

そう言うと、清麿君がその人の腕を軽く一捻り(ひとひねり)。

その人は慌てて腕を振りほどいて逃げていきました。

清麿君が、私に心配そうに聞きました。

「大丈夫ですか恵さん?」

私は思わず顔が赤くなる。

私は清麿君にお礼を言いました。

「ありがとう・・・。」

今の清麿君はすごくかっこよかった。

でもやっぱり、ちょっと顔が怖いかな。

清麿君は私に言いました。

「さっきのような人がまた現れるといけませんから、俺にしっかりとついて来て下さい。」

本当に頼もしい。

喫茶店の中に入ると、中はカップルでにぎわっていました。

ウェイターさんがオーダーを聞きに来ました。

「いらっしゃいませ、ご注文は?」

私から答えました。

「レモンティーを1つ。」

続いて清麿君が言いました。

「コーヒーを1つお願いします。」

オーダーを聞くと、ウェイターさんはその場を立ち去りました。

今、私と清麿君は向き合って座っている。

その場の雰囲気のせいで私たちは何も喋れない。

しばらくすると、ウェイターさんがやって来て、私たちの注文したものを置くと聞きました。

「レモンティーとコーヒーが1つずつ以上でよろしいでしょうか?」

清麿君が私の代わりに

「はい。」

と答える。

ウェイターさんは注文表をその場に置くと、戻っていきました。

清麿君が私に聞きました。

「恵さん、砂糖入れましょうか?」

清麿君は本当にやさしい。

私は清麿君に答えました。

「じゃあ、4つ位お願い。」

それを聞いた清麿君は、砂糖を4杯カップに入れると言いました。

「恵さんて、甘党なんですね。」

私がレモンティーを口に含むと、清麿君もコーヒーを口に含みました。

そんな清麿君を見て、私は聞いてみました。

「清麿君は、何も入れないで飲むの?」

清麿君が答えました。

「はい、ちょっと苦いですけど大人の味という奴です。」

私は清麿君に言いました。

「清麿君、本当の大人の味を教えてあげる。」

すると清麿君が言いました。

「キスするんじゃないんですか?」

私の考えていた事は、清麿君に見事に読まれてしまいました。

私は清麿君に言いました。

「さすが清麿君。」

そう言うと、彼に口付けました。

10秒くらい経つと、唇を離しました。

すると、清麿君が言いました。

「こういう大人の味も良いですね。」

さっきよりも多少緊張が取れたので、結構会話がしやすい状況になりました。

日頃の悩み、辛さ、喜び、嬉しさ、お互いに全てを打ち明けあう。

気がつくと、もうお昼ごろになりました。

私たちは喫茶店を後にして、公園のベンチでお弁当を食べる事にしました。

私は作ってきたお弁当の包みを開きました。

もちろん、清麿君の分も作ってきました。

お弁当箱を開くと、清麿君が言いました。

「やっぱり恵さんはすごいですね、俺なんか到底真似なんか出来ません。」

清麿君は料理が苦手だから、私が代わりに清麿君のお昼を作る。

私はお弁当の玉子焼きを1つはしで摘まみ、清麿君の口元に近づけて言いました。

「はい清麿君、あ〜んして。」

清麿君は顔を赤くして言いました。

「恵さん、はずかしいでっ・・・・。」

清麿君が言い切る前に、私が清麿君の口の中に玉子焼きを入れちゃいました。

そして、その後清麿君に軽く口付けました。

私は清麿君に聞きました。

「味はどう、清麿君?」

清麿君の顔は赤くなったままでした。

清麿君は、赤い顔のままで言いました。

「どっちも甘くておいしいですよ。」

お弁当を食べている途中、清麿君が言いました。

「恵さん、唇にご飯粒がついていますよ。」

私は軽く口の周りを拭こうと思いました。

ですが、その前に清麿君が私についたご飯粒を、指でとってそのまま口の中へと運びました。

その時に、私が気付いた事を清麿君に言いました。

「あっ、今のは間接キス。」

やっともとの色を取り戻したと思った清麿君の顔が再び真っ赤に染まりました。

かっこいいけど、こういう清麿君の姿も可愛い。

お昼を食べ終えた私たちは、映画館に行く事にしました。

映画のジャンルはラブストーリー。

清麿君は同じ映画館で上映しているSF映画のほうが好きそうだけど、私のわがままでこっちにしてくれました。

映画の席に座ると、私は清麿君に言いました。

「清麿君、もし寝ちゃったらキスしてでも起こすからね。」

清麿君が言いました。

「せっかくのデートなんですから眠ったりしませんよ。」

自信満々の彼の言葉を聞いて、少し安心しました。

女の子がデートで頭に来る事、その1つはラブストーリーの途中で眠られる事。

でも、相手が清麿君なら許せるかもしれない。

それだけ、今の私たちの引き合うものは強いから・・・。

映画がどんどん進んで、私は度々清麿君の顔をのぞき見ました。

清麿君は、眠るような素振りをまったくと言っていいほど見せません。

映画のラストシーンになって、恋人同士が口付ける瞬間。

これがラブストーリーのだいご味。

ここだけは、絶対見逃したくありませんでした。

愛し合う恋人が、熱い夕日の中での口付け。

見ているこっちまで素敵な気分です。

映画のラストシーンが終わりそうになった時に、清麿君が私の顔を自分の顔と向かい合わせました。

そして清麿君は目を閉じて、私の唇にそっと自分の唇を重ねました。

私も、それに答えるように目を閉じました。

清麿君の唇が離れた頃には、もう映画のエンディングが終わっていました。

私は清麿君に言いました。

「も〜、清麿君のせいで良いところ最後まで見れなかったよ。」

すると、清麿君が言いました。

「映画よりも、実際にやったほうが良いんじゃないかと思って。」

「それに、やられっぱなしじゃ嫌なので・・・。」

そういえば、今日のキスは全部私からだったかな・・・。

さっきのが、唯一清麿君からのキスだった・・・。

映画館の外に出る私達。

今は午後の3時。

次は、デパートでショッピングです。

私は以前、このデパートに来たことがありました。

あの時は大変だったなぁ。

そんな思い出に陶酔しながら、デパートの中を一緒に歩く私達。

でも、この事は清麿君の知らない事実。

デパートの中で、清麿君が言いました。

「恵さん、はぐれない様にしっかりとついて来て下さい。」

そう言うと、清麿君は私に手を差し出してくれました。

私は清麿君と手をつなぎ、そのまま彼の隣を歩いています。

私のわがままばかり聞いてくれたので、清麿君と本屋さんに行くことにしました。

清麿君が手にとって見る本は、私にはわからない難しい本ばかり。

やっぱり、こういうことじゃあ清麿君にはかないません。

すると、清麿君は芸能情報誌のような本を手にとって軽く目を通していました。

私は清麿君に聞きました。

「ねえ、どうして難しい本以外にそういうのを見るの?」

清麿君が答えました。

「すこしでも芸能界の事を勉強して、もっと恵さんのこともよく知りたいからです。」

そういって彼は雑誌を置いて、最初に手に取った難しい本だけを買おうとしました。

そんな清麿君を見て、私は言いました。

「清麿君、私のことを知りたいんだったら私の写真集でも買ってよ。」

それを聞いた清麿君は、赤くなって言いました。

「中学生がアイドルの写真集なんて買ったら変だと思われますよ、それに恥ずかしいです。」

そう言って、難しい本だけを買いました。

私は清麿君に言いました。

「自分で買うのが恥ずかしいなら、今度清麿君に送っといてあげる。」

清麿君は、赤い顔で私の方を見ないように言いました。

「あまり派手なものはやめてくださいよ、母さんに悪い目で見られますから。」

他にもいろいろなコーナーを歩いてみる私たち。

清麿君は私のペースにあわせて歩いてくれた。

気がつくともう5時を過ぎていて、そろそろ帰らないといけない時間になりました。

清麿君が駅まで送っていってくれました。

駅のところで言葉を交し合う私達。

私は清麿君にお礼を言いました。

「ありがとう清麿君、とても楽しかったよ。」

清麿君が言いました。

「またいつか、どこかに行きましょう。」

「もちろん、2人きりで。」

そう言葉を交し合うと、私と清麿君は夕日の下で口付け合いました。

 

引き合うもの

End

あとがき

20000hitのリクエストで、JJさんからのリクエストで「清恵の超甘甘デート」というお題でした。

超甘甘と言うだけあって、結構内容に苦労しました。

清恵でリクエストされたのに、この内容では恵清になってしまいました。

とりあえず、清恵は多少ながら出せたので良かったです。

それでは、次のキリ番小説でお会いしましょう。

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