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月と太陽

 

とある日、清麿と恵はモチノキ遊園地に来ていた。

ガッシュとティオは、家で留守番をしている。

ガッシュは、遊園地に連れて行ってもらえないことで非常にすねている。

もっとも、ガッシュが愚痴をこぼすたびに、ティオがうるさいと怒って首を絞める。

チケット売り場のところに来たときに、恵が清麿に言った。

「久しぶりだね、この遊園地。」

清麿も言葉を返す。

「初めてのデートがここですからね。」

清麿は、2人分のフリーパスを買った。

恵があわてて言った。

「清麿君、私が買ってもよかったのに・・・。」

清麿は恵に言った。

「良いんですよ、今日は無理を言ってまで来てもらいましたから。」

恵は、この日のためにスケジュールを詰めて休みを取った。

清麿は、それがどれだけ大変な事かを知っている。

だから、今日1日は楽しく過ごしたいと思っている。

清麿が恵に聞く。

「恵さん、最初は何にしますか?」

恵が清麿に答える。

「プールエリアに行きたい。」

今の季節は春で、プールで泳げるような季節ではない。

恵の要望により、清麿と恵はプールエリアに向かう。

季節の問題どころか、泳ぐにはもっとおきな問題があった。

プールのところには看板があり、そこにはこう書かれていた。

「現在プールは破損箇所の修復のため、ご利用できません。」

恵はこの看板を見て清麿に言った。

「まだ直ってなかったんだね、あのときの戦いの跡が。」

清麿も言った。

「はい、思えばあの時、恵さん達が来てくれなかったらどうなっていた事かわかりません。」

そう言うと清麿は、恵の顔を近づけて不意に口付ける。

清麿は目を閉じていたが、恵はいきなりだったので目を閉じれなかった。

しばらくすると、清麿は恵の唇から離れた。

清麿が言った。

「ちょっと遅くなってしまいましたが、これはあの時のお礼です。」

恵は顔を赤くして、少し機嫌を悪くしていった。

「不意打ちなんてひどいよ清麿君。」

清麿は笑ってごまかして言った。

「恵さんのそういう顔も可愛いですよ。」

それを聞いた恵は、清麿に言った。

「清麿君、お願いがあるんだけど・・・。」

清麿が尋ねる。

「何ですか恵さん?」

恵が恥ずかしがりながら言った。

「今日1日だけで良いから、敬語はやめて、あと私を呼び捨てで呼んで。」

清麿は驚いた。

清麿が恵に言った。

「やっぱり、恵さんの方が俺より年も上なので、ちょっといい辛いような気がするんですけど。」

恵は必死になって言った。

「お願い、今日1日だけで良いから。」

清麿は、ちょっと照れのある喋り方で言った。

「わか・・・った、今度はどこに行・・・く?」

慣れない喋り方なので、かなり言いづらい清麿だが、それでも恵は喜んで言った。

「ありがとう、私のわがまま聞いてくれて。」

「そうだ、今度はジェットコースターに行こうよ。」

清麿はまだこの喋り方に慣れていないが、一生懸命に言った。

「恵・・・がそれで良いなら、俺は・・・言ったとおりに・・・する。」

ジェットコースターを見て恵が言った。

「身長制限の書いてある看板、まだ変わっていなかったんだ。」

清麿も、それを見て言った。

「ああ、大抵こういうものは変わらないからな。」

清麿はやっと慣れてきたためか、大分喋り方に照れがなくなった。

恵は清麿の腕に抱きついて言った。

「じゃあ乗ろうか、清麿君。」

清麿は、うなずいて言った。

「ああ。」

2人はジェットコースターに乗る。

前にここへ来たときは、ティオやガッシュたちの反感を買うとまずいので乗れなかった。

しかし、今日は違う。

2人だけなので、邪魔するものは誰もいない。

もし、邪魔が出るとしたら、恵の変装を見抜いた彼女のファンぐらいだろう。

変装といっても、メガネをかけているだけだが。

ジェットコースターの安全バーが降りる。

恵は、少しだけ怖くなったので清麿に言った。

「ちょっと不安なの、清麿君、手・・・繋いで。」

清麿は、何も言わずに恵の手を握った。

恵の心の不安はどこかへ行ってしまった様だった。

清麿がそばにいて、手を繋ぐ事で恵は安心する事が出来る。

ジェットコースターが、急降下の手前の登りのときに、恵の心にまた少し不安になった。

不安そうな恵を見て、清麿は彼女の手を強く握って言った。

「大丈夫だ恵、俺が付いているだろ。」

それを聞いた恵は、顔を赤くして黙って首を縦に振る。

ジェットコースターは急降下をはじめる。

清麿はすごく楽しそうな顔をしている。

恵も、清麿の隣でとても楽しそうな顔をしていた。

ジェットコースターから降りると、清麿は握っていた手を離した。

恵は少し名残惜しそうだった。

すると清麿は、自分の腕を恵の方に差し出して言った。

「ほら、腕を貸すよ。」

恵は、清麿の腕を自分の胸元に抱き寄せて自分の胸に押し当てた。

清麿は思わず赤くなって言った。

「なっ・・・、何をいきなり。」

恵は舌を出して清麿に言った。

「さっきの不意打ちキスの仕返しだよ。」

そして、清麿と恵は再び歩き出す。

今度はコーヒーカップに乗ることになった。

コーヒーカップに乗る前に、清麿が恵に尋ねる。

「向かい合って座るのと、隣り合って座るのとどっちが良い?」

恵は迷いながら言った。

「向かい合って座るのも、隣り合って座るのも捨てがたし、・・・じゃあ向かい合って座ろう。」

2人はコーヒーカップに乗る。

回すのは恵だった。

清麿は、どれぐらい回すと恵の限界になるかはわからなかったので遠慮したのだ。

コーヒーカップが動き出す。

恵は、後先考えずに思い切り回した。

清麿は驚いた表情で言った。

「回しすぎ、回しすぎだ。」

周りの客から見れば、結構すごい速度で回っている。

その中に、顔を青くしている清麿が見えるようだ。

コーヒーカップが止まったとき、清麿は恵に支えられながらコーヒーカップから降りた。

恵は全然平気そうな顔をしている。

顔色の悪い清麿を見て恵が言った。

「情けないわね清麿君、あの程度でフラフラだなんて。」

清麿が口に手を当てながら言う。

「あれだけ・・・、派手に・・・、回されたら・・・・。」

清麿は手を口から離し、水道の下のほうに吐いた。

恵は清麿に謝る。

「清麿君、ごめんね・・・。」

そう言うと、清麿の口元をハンカチで拭いた。

その後、水道でハンカチを洗った。

清麿がすねた表情で言った。

「どうせ汚いよ。」

すると恵は、清麿にいきなり口付けた。

清麿の真っ青だった顔が、あっという間に真っ赤になった。

そんな清麿の顔を見て恵が言った。

「ほら、もう顔色がよくなった。」

そして、時間はどんどん過ぎていく。

メリーゴーランド、お化け屋敷、スーパーシャトル、海賊船、その他さまざまなアトラクション、そして、2人で食べる昼食。

全てのものが、時間を忘れさせた。

今の2人は、日ごろの何もかも忘れ去って純粋に楽しんでいる。

しかし、その楽しい時間もそう長くは続かない。

もうすっかり夕方だった。

閉園時間まであと30分。

清麿が恵に聞いた。

「夕日が綺麗だし、最後には観覧車に乗らないか?」

恵は素直に答える。

「良いよ、清麿君となら。」

そして2人は観覧車に乗る。

向かい合って座りながら、2人は夕日を眺める。

恵がそっと話しかける。

「綺麗だね。」

清麿もそれに答える。

「ああ。」

観覧車が頂点に達したとき、もうほとんど夕日は見えなかった。

そんな夕日から、清麿は目を恵の方に向けて言った。

「夕日は、短い時間が経つと光を失う。」

「だけど恵、君には光を失って欲しくない。」

「いつまでも輝いていて欲しい。」

それを聞いた恵は、清麿に答える。

「私に光を与えてくれるのは清麿君だよ。」

「私にとって、私は月のような存在、私にとっての清麿君は、そんな私に光を当てて月を明るく見せる太陽のような存在。」

「だから私は輝く事が出来るの、清麿君が、私に光をくれるから。」

「だから、私に光を与えて欲しいの。」

「そうすれば、私自身もっと清麿君のために輝く事が出来るの。」

そう言葉を交し合うと、2人は消えかかった夕日に照らされながら口付けた。

そして、2人はいつまでもお互いを明るくし続けるだろう。

今の2人には、お互いの存在は月と太陽のような存在だから。

そして、それが今のお互いの気持ちであるから・・・。

 

月と太陽

End

あとがき

最後の方が、訳がわからないかも知れません。(すいませんでした)

タイトルは、最初思いつかなかったので後から考えました。

タイトルはワンピースのEDからパクったわけではありません。(ワンピースのEDのタイトルがかぶっていた事には後から気付きました。)

10000hit記念の赤光さんからのリクエストです。

キヨメグの2人だけで遊園地デートと言う内容だったので、2人と言う言葉を結構使いました。

ちなみに私は、遊園地では絶叫マシーンもお化け屋敷もまったくダメです。

それではまたお会いしましょう。

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