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咎人になっても止まらない愛

 

「ディオガ・グラビドン!!」

「マ・セシルド!!」

呪文の声が響き渡る。

今はティオ・恵とブラゴ・シェリーが戦っている。

 

一方、違う場所では・・・。

「ガッシュ、もっと早く走れ!!」

「恵さんとティオが心配だ!!」

清麿とガッシュが恵達のいるところへ向けて走っている。

 

数分前・・・。

「バオウ・ザケルガ!!」

「ゼオ・ザケルガ!!」

2つの巨大な龍の形をした呪文がぶつかり合っている。

そして、金色の龍が押し勝ち、銀色の本を跡形もなく燃やした。

清麿はガッシュに言った。

「ガッシュ、今頃恵さんとティオはブラゴと戦っているはずだ!!」

「早く助けに行くぞ!!」

ガッシュはうなずく。

「もちろんなのだ!!」

「ティオは私達と最後に戦うのだ!!」

そして、ガッシュと清麿は走り出した。

 

ガッシュと清麿はティオと恵の戦いの場に着いた。

しかし、既に決着はついていた。

本は燃えていて、ティオの体が透けている。

ガッシュはティオに話しかけた。

「ティオ、大丈夫か?」

ティオはガッシュに言った。

「ごめんね、ガッシュ、約束守れなくて・・・。」

ガッシュはティオに言った。

「ティオが元気でいてくれたら、約束などどうでも良いのだ!!」

「私は・・・、ティオが大好きなのだ!!」

ティオはガッシュに言った。

「ありがとう・・・、ガッシュ・・・。」

「私も、ガッシュが大好き・・・。」

そして、ティオは清麿に言った。

「清麿に、お願いがあるの・・・。」

清麿はティオに聞いた。

「何だ、ティオ?」

ティオが清麿に答えた。

「これからは、清麿が私の変わりに恵をずっと守っていって!!」

清麿はティオに強く答えた。

「わかった!!」

「俺が恵さんを守って、必ず幸せにする!!」

そして、ティオの魔本が燃え尽きる前に、ティオが清麿と恵に言った。

「清麿、恵をお願いね・・・。」

「恵、私は恵の事を絶対に忘れないよ・・・。」

ティオの魔本は燃え尽きて、ティオは魔界に帰って行った・・・。

ブラゴがガッシュに言った。

「後はお前だけだ!!」

「俺とお前の間に決着がつけば、勝った方が王だ!!」

ガッシュが清麿に言った。

「清麿、ティオのためにも、絶対に勝つのだ!!」

清麿がガッシュに言った。

「任せろガッシュ!!」

「俺たちの力をブラゴに見せてやる!!」

そして、お互いが呪文を唱えた。

「バオウ・ザケルガ!!」

「バベルガ・グラビドン!!」

巨大な重力球と金色の龍が衝突する。

「いっけ〜!!」

金色の龍が重力球を突き抜けてブラゴを直撃した。

そして、黒い本は燃え尽きた・・・。

 

その日の夜・・・。

清麿と恵は清麿の家にいた。

「清麿君、大丈夫?」

恵は清麿の手当てをしている。

「大丈夫ですよ、恵さん・・・。」

治療を終えた後、清麿と恵は清麿の部屋に行った。

そして、2人はベッドに腰掛ける。

清麿は、少し考えた後に恵に聞いた。

「恵さん、これでよかったと思いますか?」

恵は少し首をかしげている。

清麿が恵に言った。

「ガッシュは、目指していたやさしい王様になった。」

「だけど、もう俺と一緒にいることが出来なくなって、魔界に帰ってしまった。」

「友達として、嬉しいのか嬉しくないのかわからないんです。」

恵は清麿に言った。

「良いと思うよ。」

「だって、大切な友達を立派な姿にする事ができたんだから、きっと清麿君も嬉しいはずだよ。」

清麿は、改めてガッシュを王に出来た嬉しさを実感した。

清麿は恵に言った。

「ありがとう、恵さん・・・。」

「恵さんとティオがいなかったら、俺はガッシュを王に出来なかった・・・。」

「俺は恵さんが大好きです・・・。」

恵も清麿に言った。

「私も、清麿君のことが大好き・・・。」

そして、清麿は恵に口付けた。

恵に自分の気持ちを込めて・・・。

恵も清麿の気持ちを素直に受け止める。

そのまま清麿は恵をベッドに押し倒した。

とっさに唇を離して清麿は恵に謝った。

「ごめんなさい恵さん、俺・・・。」

恵は清麿に言った。

「気にしないで、私も望んでいる事だから・・・。」

そして、清麿は自分が男である事、恵が女である事を改めて認識した・・・。

 

そのまま数ヶ月が経った・・・。

恵が清麿の家にやってきた。

清麿と恵は前より頻繁に会うようになった。

清麿が恵に聞いた。

「どう・・・、でしたか・・・?」

恵は静かに答えた。

「予想していた通りの事になっちゃった・・・。」

衝撃の事実だった・・・。

恵が清麿に聞いた。

「やっぱり、この前のアレが原因だよね?」

清麿は黙ってうなずく・・・。

清麿は恵に聞いた。

「このまま行くと、俺って15歳で父親ですか?」

恵は清麿に言った。

「そういう事になるわね、まだ学生なのに・・・。」

実は、恵の胎内には新たな命が宿っている。

もちろん、相手は清麿だった・・・。

 

それから数日後・・・。

最悪の事態が清麿と恵を襲った・・・。

『人気絶頂のアイドル大海恵に妊娠発覚!!相手はなんと中学生!?』

マスコミにこの事が知れて新聞の一面を独占し、あっという間に全国に広まった・・・。

一面にはこう書かれている。

『先日、人気絶頂のアイドルである大海恵(16)が産婦人科の病院に通っているところを目撃した人がいた。』

『これについて、病院の医師に伺ってみたところ、妊娠している事が発覚した。』

『相手についてはまだ発覚していないが、彼女との交際が疑われているこの中学生の少年が有力である。』

清麿と恵がデートしている様子を写した写真が掲載されている。

『モザイク』というものがかかっていないので、清麿の素顔は世間に知れ渡った。

 

清麿の学校では・・・。

清麿は校長に呼び出されていた。

「高嶺清麿君。」

「君は本校でも非常に優秀な生徒だ。」

「しかし、今回の事ではうちの中学の評判が下がりかけない。」

「義務教育で、本来ならありえない事だが、君は今を持って退学だ。」

清麿は反論もせずにその運命を受け入れた。

「はい、当然の事です。」

「失礼しました。」

そして、清麿は校長室を後にする。

廊下で3バカトリオが話しかけてきた。

金山が清麿に聞いた。

「おい高嶺、お前が恵ちゃんを妊娠させたというのは本当か?」

清麿は嘘すらつかずに本当のことを言った。

「ああ、本当だ。」

「だから俺は退学になった・・・。」

金山が清麿を殴った。

山中も清麿に言った。

「どうして恵ちゃんがお前なんかとやったかは知らない!!」

「だが、お前はそうすることによって、恵ちゃんを自分だけのものにするつもりだろ!!」

金山は再び清麿に拳を揮ったが、清麿は受け止めた。

そして、清麿は3人に言った。

「恵さんの妊娠はまぎれもなく事実だ・・・。」

「だがそれは、俺が恵さんを無理矢理自分の物にしたいからやった事じゃない!!」

「俺は、1人の女の子としての恵さんを愛している!!」

「恵さんも、俺のことを1人の男として愛してくれている!!」

「俺と恵さんのこの気持ちは、誰にも負けない!!」

清麿は手を離し、3人の前から立ち去った。

そして、かつての母校をあとにした・・・。

清麿が家に戻ると、家の前に恵が立っていた。

「どうしてんですか、恵さん?」

問いかけに対して、恵が清麿に言った。

「清麿君に会いたくて・・・。」

清麿は恵に聞いた。

「学校は大丈夫なんですか?」

恵が清麿に答えた。

「多分、清麿君が学校じゃなくてここにいるのと同じ理由よ・・・。」

清麿は静かに恵に聞いた。

「もしかして、恵さんも退学ですか?」

恵は黙ってうなずいた。

清麿は恵を家の中に入れた。

清麿は最初に恵に謝った。

「恵さん、ごめんなさい・・・。」

「俺だけならともかく、恵さんまで退学する事になるなんて・・・。」

恵は清麿に言った。

「気にしなくて良いよ・・・。」

「私が望んでこうなったんだから、清麿君は悪くないよ・・・。」

清麿は恵に聞いた。

「これから、アイドルの仕事はどうするんですか?」

恵は清麿に答えた。

「アイドルはもちろんやめるわ・・・。」

「そして、私は清麿君だけの物になるわよ。」

清麿と恵は静かに口付けを交わした・・・。

 

それから数日後・・・。

恵の引退コンサートが開かれた。

引退というだけあり、会場は超満員だった・・・。

清麿は恵と楽屋にいた。

「恵さん、何とかやれそうですか?」

清麿の問いかけに恵が答えた。

「大丈夫よ、少しお腹が重くなったけど何とかなるわ。」

そして、恵の引退コンサートが始まった。

今まで恵が歌ってきた数多くの歌・・・。

恵は自分が今まで築き上げていたその全てをこのコンサートにぶつけた。

清麿の物になる前に悔いを残さないように・・・。

清麿は前の席で恵の様子を伺っている。

時折自分に対する陰口が聞こえたが、清麿は無視した・・・。

そして、コンサートは無事に終了し、恵は引退をファンに告げた。

「みんな、今日は私のコンサートに来てくれてありがとう!!」

「私はこの日を持って、アイドルを引退します。」

「これからは、私の一番大好きな男の子と、一緒に幸せに暮らします。」

「今まで、応援ありがとう!!」

会場は拍手の音でいっぱいになった。

この拍手が何を示すのかは、清麿にも恵にもわからなかった。

恵が着替えを終えて荷物を持って外に出ると清麿が待っていた。

「恵さん、急がないと飛行機に間に合いませんよ。」

恵が清麿に言った。

「ええ、あと1時間しかないわね。」

2人はタクシーに乗って空港へと向かう。

車の中で清麿が恵に言った。

「イギリスについてからは、親父に色々と面倒見てもらえますから安心してください。」

そう、2人はイギリスへ渡る事を決めた。

その方が恵がゆっくり出来ると清麿が思ったからだ。

もちろん、これは2人で相談して決めた事だ。

空港に到着し、チェックインを済ませて2人は飛行機に乗る。

恵が清麿に言った。

「これで、この国ともお別れだね・・・。」

清麿が恵に言った。

「そうですね・・・。」

「でも、全てが終わったら、また戻ってきましょう・・・。」

そして、清麿と恵を乗せた飛行機はイギリスへと向かった。

 

それから数ヶ月・・・。

ここはイギリスのとある病院・・・。

清麿は恵を待っている。

清太郎がやってきて清麿に聞いた。

「清麿、今夜中に生まれるのか?」

清麿は清太郎に言った。

「ああ、医師の話だとそうらしい・・・。」

「だが、何だか少し不安だ・・・。」

「いつかはこの日が来るとわかっていたのに、恵さんが心配だ・・・。」

清太郎が清麿に言った。

「私もそうだったな・・・。」

「華が、つまり母さんがお前を生んだ日の夜は、私も不安だった・・・。」

「だが、そういう時こそ愛するものを信じてやるんだ!!」

「お前には、それが出来るはずだ・・・。」

清麿は黙ってうなずいた。

ちょうどその時、赤ん坊の泣き声がした・・・。

医師が出てきて清麿に言った。

「おめでとうございます。」

「無事に生まれましたよ。」

数時間後に清麿は恵の病室に入り恵に言った。

「おめでとう、恵さん・・・。」

恵が清麿に言った。

「まるで他人のように言わないでよ、清麿君と私の子供なんだから・・・。」

清麿は恵に言った。

「そうなんですが、15歳で父親になったから実感が湧かなくて・・・。」

すると、恵は清麿に子供を抱かせた。

そして、恵は清麿に言った。

「ほら、これなら少しは実感が湧くんじゃない?」

清麿は、改めて自分の子供であると実感した。

「嬉しいよ、この子は恵さんと俺の間の子供なんだ・・・。」

この出来事から3年後、清麿と恵は無事に結婚式を挙げた。

恵の妊娠により、清麿と恵は世間的にいう咎人となった。

しかし、つらい事があっても清麿と恵はそれを乗り越えてきた。

そして、この2人の愛は永遠に絶える事がないだろう・・・。

大切な、家族と共に・・・。

 

咎人になっても止まらない愛

End

あとがき

この小説はキリ番150000hit記念にアクルガーさんより「ガッシュとティオが魔界に帰った後の清麿と恵の話で、

戦いの中で清麿と恵の間に愛が生まれて、ガッシュとティオが帰った後でもその気持ちが途絶えることもなく、

さらに強くなっていったが、お互いを愛しすぎるがために、清麿と恵はまだ学生という立場なのに、妊娠させてしまう」というお題です。

詳細に「清麿と恵は退学処分になったりアイドルを引退しなければならなくなりますが、最後は産むという結果のハッピーエンド」という傾向も提示していただきました。

キリ番小説の中で、このお題の長さはサイト内のギネス記録です。

「ゼオ・ザケルガ」については、GCおよびPS2版ガッシュでゼオンの最大呪文です。(原作では多分違うでしょうけど・・・。)

「ジガ・・・」にしようかとも思いましたがまだよく分からない術なので却下です。

原作では最終的にガッシュが誰と戦うかはわかりませんが、ティオが消えるとしても清麿に恵を託して欲しいです。

次回でまたお会いしましょう・・・。

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