過去と現在

 

ある朝、俺が目を覚ましてその朝日を浴びると、あの時の事を思い出した。

あの時に、ガッシュたち魔物が魔界に帰って大体10年の時が経った。

ガッシュたちは元気にしているだろうか?

10年経ったから、俺は今24歳だ。

ガッシュの年齢は大体16歳位か?

ちょうど、あの頃の恵さんと同じ歳だ。

今から約6年前のある日、恋人として付き合ってきた恵さんに呼び出された。

その時に恵さんはこう言った。

「清麿君・・・、あのね・・・私、幸せになりたいの。」

「だから・・・、私と結婚してください。」

あの時は本当に驚いた。

無論断る理由など何もなく、そのまま俺と恵さんは結婚した。

今は4歳になったばかりの娘が1人いる。

俺と恵さんにいつもベッタリくっついているが、結構可愛い子だ。

そう考えていると、恵さんが目を覚ました。

恵さんが寝ぼけた声で言った。

「おは・・よう、・・清麿君。」

俺も返事を返す。

「おはよう、恵さん。」

呼び方もあの頃から変わっていない。

俺は、思わず恵さんに口付けた。

そして、5秒ほど経つと唇を離した。

すると、恵さんが言った。

「こうやってキスするの・・・、久しぶりだね。」

俺は黙ったままうなずく。

普段は娘の邪魔によって、キスをする事のできる機会がグッと減った。

それでも、こうやって娘が眠っているときにキスをしたりもする。

付き合い始めた頃は、会うたびにキスしていたのに。

今はこうして毎日一緒に生活しているのに、キスをする機会は非常に少ない。

とはいっても、新婚ほやほやの頃は一日10回位は平気でキスをしていたが・・・。

世間的にも、ラブラブな夫婦として結構有名である。

世間的にはとはいっても、あくまで近所の間だけでのうわさだ。

一般世間に知られていない理由としては、もう恵さんがアイドルを辞めてしまったからだ。

恵さんは2年前に、多くのファンに惜しまれながらアイドルを引退した。

辞めたとは言っても、今でも俺と一人娘にとってはアイドルのような存在だ。

すると、今度は一人娘のお目覚めのようだ。

「うぅ・・・、パパ、ママ、おはよう・・・。」

俺と恵さんが一緒に言った。

「おはよう、清良(せいら)。」

清良という名前は、清くて良い人になれるようにという願いを込めて俺と恵さんが相談して付けた名前だ。

恵さんが清良に言った。

「清良、ちょっと先に向こうの部屋に行ってて、ママとパパは後から行くから。」

それを聞いた清良は、寝ぼけた表情で返事をした。

「はぁ〜い。」

そして、清良はベッドから降りてリビングへと向かう。

すると、恵さんが俺に言った。

「清良には悪いけど、今は清麿君と2人っきりでいたいから。」

俺は、娘を一人でリビングに向かわせるのが心配だったが、家の中だから大丈夫だろう。

それよりも、俺も今は恵さんと2人だけでいたい。

家族3人で眠れるように、ベッドは結構横長に出来ている。

そんなベッドに、今は俺と恵さんの2人きりだ。

俺と恵さんは、キス以上に久しぶりに抱き合った。

こうやって、お互いの鼓動を感じるのはもう何週間もやっていない。

理由としては、俺と恵さんの間に清良が寝ているからだ。

まあ、今日みたいに清良を先にリビングに向かわせて抱き合うという事も時々している。

抱きしめあった体を緩めて、俺と恵さんは口付ける。

5分くらい経つと、俺は唇を離して恵さんに言った。

「行きましょうか、清良が待っています。」

恵さんは黙ってうなずいた。

リビングへ向かうと、清良はもう着替えを終えていた。

清良が恵さんに言った。

「ママ、パパとラブラブするのは良いけど、あんまり清良を待たせないでね。」

4歳児のはずなのに結構頭がよく、物分かりがとても良い。

そのため、ラブラブという単語ももう覚えてしまった。

そして、俺と恵さんが何をしているかもバレてしまっている様だ。

恵さんが朝食の準備をする。

俺は、今日は仕事が休みなので世間の事を知るために新聞とテレビのニュースを同時に見ている。

俺は今、小児科の医師をやっている。

結構子供に人気のある医師となれたのは良いが、母親達にまでそれなりに人気が出てしまった。

恵さんが言うには、医師としての腕だけではなく、俺の顔が影響していると言っている。

そんな事を考えていると、清良が俺に聞いた。

「パパは今日、お仕事お休みなんだよね?」

俺は清良の方を見て答えた。

「そうだよ、だから今日は、パパとママが2人で幼稚園に迎えに行ってあげるから。」

それを聞いた清良は、無邪気に喜び始めた。

こういうところはやはり子供だ。

すると、恵さんが俺に言った。

「そうだ、今日買い物に一緒に行こう。」

俺は恵さんの方へ向かって答えた。

「わかった、清良を幼稚園に連れて行った後で行こうか。」

すると、清良が俺と恵さんに言った。

「がんばってラブラブしてきてね。」

その言葉に、思わず赤くなってしまう俺と恵さんだった。

こんな小さな幼稚園児に、自分達の心理が理解されているのが奇妙だ。

俺は恵さんと一緒に清良を幼稚園に送り届け、その後は恵さんとの買い物デートとなった。

デパートに入った時、恵さんが俺に言った。

「清良って、清麿君に似て頭が良いよね。」

それを聞いた俺は恵さんに言った。

「まあ、頭が良すぎるのが逆に迷惑ですけど。」

久しぶりに、俺は恵さんと腕を組んで歩いた。

普段買い物に行く時は、いつも清良が俺と恵さんの間にいるから。

恵さんが俺に言った。

「清麿君、なんだか10年前が懐かしいね。」

「あの頃は、当たり前のように私達は腕を組むことが出来たのに・・・。」

それを聞いた俺は恵さんに言った。

「でも、回数が減った分、いざそれが出来た時の嬉しさはあの時以上です。」

恵さんは顔を赤らめてうなずき、俺の腕に寄りかかった。

俺と恵さんは、久しぶりに2人きりでデパートをゆっくり回る。

昼食も、デパート内のレストランで一緒に済ます。

ガッシュにも、いずれ俺にとっての恵さんのような存在の人が現れるだろう。

まあ俺と恵さんとしては、それがティオであることを願いたい。

買い物を済ませた頃には、清良を迎えに行く時間だった。

俺は恵さんに言った。

「行きましょう、清良が待っています。」

恵さんは素直にうなずく。

今日の楽しい時間を俺たちは忘れないだろう。

幼稚園に行くと、清良が少し機嫌を悪くしていた。

「パパ、ママ、ラブラブするのは良いけど、私をあんまり待たせないでよ。」

それを聞いた恵さんは俺に聞いた。

「清麿君、こういう所ってどっちに似たのかな?」

俺はからかい半分で恵さんに言った。

「恵さんじゃないんですか。」

恵さんは少し不機嫌になって言った。

「もう、私はこんな性格じゃないわよ。」

からかい半分で言ったのに、俺には何だか本当にそう思えてきた。

すると清良が俺と恵さんに言った。

「ラブラブですねぇ。」

俺と恵さんは、完全に4歳児にからかわれている。

でも、そういう所が俺と恵さんを幸せにしてくれるのかもしれない。

10年前から恵さんと一緒に歩んできた幸せ。

そして、これからもそんな幸せは続く。

恵さんだけでなく、大事な一人娘の清良と一緒に・・・。

 

過去と現在

End

あとがき

あ〜!!ラブラブがテーマだったのにあまりうまく行っていません。

清麿と恵の子供の名前はたまたま頭の中に浮かんだものを使いました。(日本人で、「せいら」という名前の人はいなさそうです。)

ちょっと清良のインパクトが強すぎるため、ラブラブに見えなかったらごめんなさい。

とりあえず、これからもよろしくお願いします。

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